髪を撫でる、優しい温もり。
目を覚ますと、
微笑む川崎先生がいた。
「先生…抱いて……?」
あんなふうに恥ずかしい言葉、
言ったの初めてだった。
だから、すぐに抱きついて
顔を見えないようにした。
先生は、優しくて、優しくて。
これもまた、初めての体験だった。
思いを寄せる人に抱かれるのって、こんなに嬉しいんだ。
心から、そう思った。
快楽で歪む視界に、先生が映る。
細く見えていたその体は、
ほどよく鍛えられていて、
先生が見せる表情は、色っぽくて…
本当に、かっこよかった。
本能に任せながらも、私を気遣い抱いてくれる。
幸せで、幸せで。
先生の腕の中にいる間は、
これから行おうとしている私の罪も、
過去の痛みも、すべて忘れられた。
幸せだと、初めて思った。