ベッドに倒れこみ、
目を瞑った。
眠たいはずなのに、眠れない。
唇に、さっきの温かさは残ってない。
心にも、何も……
不安なの。怖いの。
夜は、ひとりぼっちだと
実感して止まないから。
寂しさなんて、慣れてたはずなのに。
なのに、川崎先生に会ってから、私……
ブーブーブー……
いきなりの携帯からのバイブ音。
重たい体を起こし、
鞄から取り出した。
「…えっ…」
それは、
川崎先生からの電話だった。
抱き締められたあの日、
先生が連絡先を教えてくれた。
何かあったら、いつでも言ってくれと。
そんな行為、医者としてどうなのかはわからないけど、
素直に嬉しかった。