なんだか最近、目覚めが悪い。
嫌な夢ばっかり見るんだ。
1人の少女が、ぽつんと佇み、
ある男の背中をじっと見つめてる。
その表情は、怒りにも悲しみにも似て…
また、見えなくなった。
もう少しで近付けそうなのに、
近付けない。
男の顔も、わからない。
どうにかして、少女に手を差し伸べたいのに…届かない。
俺はどうしてこんなに必死になってる?
ただの、ただの夢なのに…
そうだ。
夢の…はずなのに…
「…せい。川崎先生。」
「えっ…あっ!はい。」
「もう、どうしたんですかー?
ため息ばかりついちゃって。」