―…信用する人間なんていない。自分でさえ、疑うくらいだから。 今日も決まったようにある場所へと向かう。 あと、忘れちゃいけない “お守り”を持って。 出かけるときに、私はポツリ呟いた。 「行ってくるね。…お父さん。」 言うたびに胸が苦しくなる。 でも、負けない。 こんな胸の痛み、お父さんが受けた苦しみと比べたら、一にも満たない。 そう、絶対に負けちゃいけない…