「だからって……何でいきなり…!」
「隆太は患者に親密になりすぎるところがある。それは大事なことだが、医者には冷静さが必要だ。
看護師からも、大野亜矢子との親密さを指摘された。
外部でも会ってると聞いた。
本当、なのか?」
何も言えず俯く。
「本当…なんだな。」
深いため息が聞こえた。
「これは、父親からではなく、院長としての命令だ。
彼女の担当は、もうしなくていい。」
靄がかかる視界。
波打つ血液。
震える拳。
なら、どうして
どうして…
「どうして俺の目を見ないんだよ!
命令とか…意味わかんねぇよ!
冷静さだけじゃ救えないことだってあるだろ?」