「凄くキレイだよ~」
鏡の前に映る私を見ながら、友達がキラキラした瞳で褒めてくれる。
「ありがとう」
「私も早くしたいな~」
「いやいや、あんたは絶対に出来ないって」
「失礼な!由亜、ブーケ絶対にあたしに投げてよね!」
「あ、ずるーい!!」
友達のやり取りを見ながら、自然と笑顔がこぼれた。
「二人とも、本当にありがとう」
心から祝福してくれる友達がいてくれる。
それだけで
自然と涙が溢れそうになる。
「由亜、本当に良かったね」
良かった、そうだよね。
これで良かったんだよね。
私の決断は
決して間違いではない、よね。
「うん」
小さく返事をしてもう一度正面を見た。
そこには白い、純白のウェディングドレスを身にまとった
幸せそうなもう一人の私がいる。
「幸せそうだね」
ポツリと呟いたのは、鏡に映ったもう一人の私。
「何言ってんの、幸せなんでしょ?」
「もう喧嘩売ってんの?」
なんてポンと肩を叩いた。
「ううん、そんなつもりはないんだけどね」