「だる…」
ぼそりとつぶやいた。
やっと4限目の時間だ。
窓際の一番後ろという特等席は、目の悪いクラスメートに前二番目の席を譲ったからだ。
僕はダテ眼鏡だし、株も上がる。

…サボるにはうってつけの席だし。

教師の下手な英語が流れる午後の教室。
海外に行くことの多い母親のおかげで僕は英語が得意だ。
そのせいで…

「木更津!12ページから読め」
英語教師の目の敵だ。
僕はことさらなクイーンズイングリッシュで教科書を読み出した。