放課後の図書館。

人気はまばらだ。

窓際一番奥のテーブルに座る美沙をみつけた。

『せんぱぁい』

声がでかい!
まばらながら、視線が僕らに注がれる。

『美沙、静かにね』

『はぃ』

ったく…

一学年下の現国なんざ簡単だ。

『さぁ、やるよ』

テキパキ教科書と参考書、ノートを開き、丁寧に教えていく。

この高校に受かったくらいだから基礎はある。

応用がきかないだけだ。


そうして、いつの間にか数学に英語まで面倒を見てしまう。
気づけば閉館の6時だった。