「嘘だよ(笑)、見たい?」
声も出なくてコクコクと頷いた
「どうぞ」
シャッ――
気に遮光カーテンが開けられた
『わ‥‥!』
瞬間、無数の光があたしの顔を照らした
下半分には人工的な光
車の光、ビルの灯り
上半分には自然の光
星の光、月の光
眩しすぎて‥
こんな夜景見たことがなかった
自分が若干高所恐怖症なことなんて一瞬でどっかにとんで、ガラスに両手を当ててまるで水族館の一番大きな水槽を見るように見入った
あまりにも綺麗で目頭が熱くなって
あっと思ったときにはもう遅かった
「なんで泣くの?」
暁羅さんが横からあたしの顔を覗き込んだ
『‥綺麗だからです』
なんとも普通の理由だけどそれ以外の言葉にならなかった
ただ物凄く癒された
自分の居場所がわからなくて乱れていた心が優しくなで下ろされた感じがした
大粒の涙が一雫あたしの頬を滑り落ちた
堰を切った涙はもう止まらなかった
あたしの頬に出来た一筋の道を何度も何度も涙が走った
暁羅さんはそんなあたしの頭を優しく撫でていてくれた
『ほら、風呂沸いたから入っておいで』
「はッ‥‥い」
あたしはヒクヒクとしゃくりあげながらなんとか返事をし、お風呂場に向かった