暁羅さんが居なくなったリビングを見渡す
今思えばこの部屋、一人暮らしにしてはほんと広い


何畳だよってぐらいの広い部屋の左半分にソファーとテーブルとプラズマテレビ、
右半分にキッチンとダイニングテーブル、
別の部屋にベッドとクローゼット、
他にもまだまだ入ったことのないドアが3つ4つはあった

そしてそれらを彩るように置かれた様々なインテリアや小物


リビングの奥には大きな窓を囲っているであろう舞台の幕のような遮光カーテンが閉まっている

たしかベッドルームもこんなでっかいカーテンが壁一面に広がってたっけ?


『窓、大きいのかな‥』



あたしはソファーから体を起こし不意にカーテンに近寄った



そしてカーテンに手をかけようとしたとき




「高所恐怖症?」


後ろから暁羅さんが閉まっているカーテンを更にぎゅっと閉めた



『え、あ、ちょっとだけ‥』


「ならこれは開けれないなぁ〜」


あたしの頭の上から聞こえる声にドキドキした

きっと後ろから見たら、今あたしは暁羅さんの体にすっぽり隠れてる



どこも触れてないのに、暁羅さんの大きな体をあたしの五感が嫌ほど感じ取った



『あ‥あの‥‥』


少し近いってだけであたしは発狂寸前

更に毎度お馴染みのあの甘い匂いがあたしの胸を容赦なく掻き回した


あたしはどうしようもなくドキドキして、体が硬直した