「やっと二人きりになったんだから、イチャイチャしようよ〜」


 図々しい重子は、俺の腕に太い腕を絡め、ぶつぶつの顔を寄せてきたが、あまりの気持ち悪さに耐えられなくなった俺は、思いっきり突き飛ばしたが、重子はびくともせず、

「刺激的ね豪君たら」と汚い顔を歪めて笑ったのだ。

 俺は苦痛な時間を耐え、重美が帰ってきた時にはほっとした。

 やがて夕食になり、重美の料理はどれも美味しかった。

 その後は二人と一匹の豚で、談笑して過ごしたが、夜になり、俺が泊まる部屋を案内すると云われ二階へ上がった。

 二階は、部屋が三つあり、何と重子と共に重子の部屋に通されたのだ。

 俺はすかさず、あれこれ言い訳をして一人で寝る事を重子に承諾させた。
 結局、酒は夕食後も出て来なかったため、重美と二人きりになるチャンスを逃した俺はため息を吐いた。
 
 重子の部屋に入ると、壁一面俺の写真だらけで驚愕した。しかも全て隠し撮りだったから重子のしつこさに脱帽するしかない。

 重子のベッドでは気持ち悪くて眠りたくない俺は床に仰向けになった。しかし上を見ると天井にも俺の写真がびっしり貼られていた為、気分悪くなり目を閉じた。