森に 光と影が交差する。
閃光に似た光が前を過った。
……リーゼ。
「 エリーゼ!!」
聞き覚えのある声。
「…無事か? エリーゼ。」
ホッとしたように語りかける 優しい声。
アクトだった。
白く美しいシルクの服と右手に持った剣をケモノの血で染め、汗だくになりながら息を切らしエリーゼを見ていた。
「……っっ!!」
エリーゼは顔いっぱいに涙を流しながら血に染まったアクトの身体に飛び込んだ。
「ゴメンなさい!ごめんなさい私っ…!!私知らなくて──」
「…そなたが悪いのではない。悪いのはこの森の事を言わなかった我だ。怖い思いをさせた…許してくれ──。」
エリーゼは首を横に振り続けたが、強く抱きしめるアクトの腕に抱かれ言葉を失った。