その時、



「──君…姫君!ご無事ですか!!?」


『グルルルッ!…ウガァァッ!!!!』



背後から聞こえた声と気配に

ケモノが振り返り いきり立つ!!


ケモノの向こう側には数人の兵士が、その巨体に剣と槍を向けていた。


(衛兵…!…助かった!!)

『ガァァアアァ!!』


兵の数倍は在ろうかというケモノは、後ろに立った兵に振り返り凶暴な歯を剥き出しにする。

唾液を滴(したた)らせ、兵士の顔ほどもあるの大きな足と爪で兵に襲いかかった!!!!


「うっ…!! うぁあ゛ぁあぁ!!!」




兵士の ゾッ とするような断末魔が 辺りに響き渡る!!!


「あ゛あぁあ゛ぁ……!!!!…………。」


『グルルルル……ッ』


ケモノの体が赤く血に染まった