突如現れた森の木々の合間を抜いながら進んで行くと、ほの暗く冷たい世界に
静かな木々のざわめきだけが風にゆれ 異質な不気味さをかもし出していた。

時々射し込む光の残像が 鋭く瞳に入り 不快な気分にさせられる。


…だが 魅力的な何かをかもし出すその森にエリーゼは惹かれた。進んで行くと神秘さも更に増していき木々の感覚がどんどん広がり行く。

その脈動感に一瞬 エリーゼは飲み込まれそうになる。


草や土は殆ど無く苔が倒れた木や足元に広がっており、時々エリーゼの足をすくった。