「ははっ 我に背を向け、話も聞かず去る者がいたとは!はっ。ははははっ!」
アクトは腹を抱え笑う。
実に楽しそうな 皇太子の声が城中に響き渡る。次期 国王を足蹴にする様な女が今まで居ただろうか?
城の 衛兵はいったい何事か?と 確認しに訪れて、従者や記長達は普段はすました皇太子の変貌ぶりに 我が目を疑い駆けつけた。
【【聞こえない 聞こえない…何も聞こえない。】】
後ろを振り返らず、呪文のように唱えているエリーゼは、ドレスをわしづかみにし 笑い声を欠き消そうと、ドスドスと勇ましく歩いて行った。
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