戦争って心だけでなく、体までも人を醜くさせるのね……。 外のやわらかな光に包まれた世界と入れられた紅茶が、別世界の出来事の様に感じて しばらくの間、何を考えるでもなく遠くを見つめていた。 長い時間そうしていると、夢を見るどころか現実がエリーゼに 音を立てて近づいてくる。 ──ここは、誰の為の部屋なのかしら…女性用の化粧品などもあるし、 …まさか愛人用の部屋とかじゃあないわよね? そんな考えが頭に突如現れた。