それでも変わらずエリーゼをみつめ続けた男は

「我が姫よ。我が名はアクトパスカだ。2人の時はアクトでよい。」


そう言ってやわらかく微笑んだ。

(よ…良くない よくないっ!!)
エステリーゼは頭をブンブン真横に降り抵抗する。



「王族は王族の姫を妃に迎えるのが国の慣わしだ。我が姫はそなたがよい。」

私の気持ちは!?

「そなたの気もその内 変わる。」

アクトの体がゆっくり指と言葉にのせ 近づいてくる。


エリーゼのぎゅっと閉じた瞳からは

大粒の涙がこぼれ落ちた。