竜はなにをするでもなく じっとこちらを見つめている。


王女は不思議に思う。

「なぜ 私を殺さないのですか?」

すると竜の重い口が開いた。

『なぜ殺さなければならない。…無意味な殺生など我は好きではない。』



(…獣 なのに?)


『人とて獣だ。』

答えた竜に王女は

目を見開いた。