凛とした美しい娘だった。

水の流れるような美しい髪を腰まで伸ばし、金のガラス玉のような瞳は汚れを知らない。桜の花のように淡く色づいた肢体は すらりと伸びて、見る者の目を奪わずにはいられなかった。



だが娘は


これ程大きく恐ろしい獣は見たことがない。言葉に後悔はなかったが、腕をひとふりすれば容易に首が飛ぶ。竜へのこの言葉がきっと最後の言葉になるだろう。



まだ20頃の美しい王女はそう覚悟を決め

瞳をきつく閉じもう一度



父を強く…

強く抱き締めた。