「「フェイ!浄めの布が足りない!!」」

「はっはいっ。」


せわしなく動くフェイを後目に、司祭が皇太子に助言していた


「皇太子殿下。そこはもう少し此方へ。そう、逆はもっと… 地に付け汚してはなりません。気を付けて。」


凍てつく寒さと暗闇の中、焚かれたかがり火が寝かされたエリーゼとアクトを照らす。


かがり火の灯りを頼りに、作業をしていたアクトの額から汗が流れ落ちたが当人の視界には入らない。


──構っている時間など、気に止めている余裕などなかった。


「「くそっ 上手くいかない!」」


皇太子の下品な言葉に司祭は驚き、フェイはいてもたっても居られず声をかける