医者にも口止めをする。


危篤


そんな言葉がアクトの頭をよぎり振り払いながら、息つく間も無くアクトは着替えに向かった。



日暮れが迫る。


気が急き、急げば急ぐ程空回りした。


「エリーゼ…。無事でいてくれ──」


ただ祈るしかない。

着替え終わったアクトは、エリーゼを抱え城外へと向かった──