「こっちに…来るっ」



エリーゼは思わず

アクトの後ろに隠れてしまった。


逃げたかった訳じゃない。


現実から、目を反らした訳でもない。



ただ

怖かった…


自分のした事が分からない愚か者でも、



王族だから…

とも思えなかった。




殺した私が、恨まれたとえ殺されたとしても仕方無い…




エリーゼが力を入れたせいで、アクトの上着はしわくちゃになった。




アクトが後ろを覗き込みながら、エリーゼの体に手を触れ

グン と後ろ手にその体を背後に引き寄せた。



[ちょっ…]