「エリーゼ。その姿は王族には相応しくない姿だぞ。」
話し掛けてきたアクトに、エリーゼはビクリと体を震わせて顔をぬぐう。
顔は上げられず、溜めた涙と嗚咽を堪えるだけで、精一杯だった。
「申し訳ありません猊下。私が付いていながら…、姫君の気持ちをお察しする事が出来ませんでした。」
フェイは挨拶の無いエリーゼに代わり謝罪したが、チラリと目をやっただけで皇太子はフェイの前を通りすぎた。
エリーゼの少し斜め前、フェイの隣に無言のまま立ち追悼式を見つめる──。
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