「太子…皇太子が何故このような場所へ!?」


親族からどよめきがあがる。



──雨の中


一国の王となる人物が、傘も持たずに一般兵の葬儀場に訪れた。


暗い世界で、その蜜色の髪はより輝きを増し 泣き 叫ぶ者達の声を奪う。

皇太子の金色の瞳は棺を捉え、軽く瞳を閉じこうべを垂れると儀場の最後尾へと向かう。




降りしきる雨の中 視界は頗る悪かったが、

アクトの目に二人の様子が入ってきた