一方──
フェイは急いでエリーゼの後を追いかける。
「姫君 お待ち下さい。…姫君、どちらで追悼式が行われるのかご存知なのですか?」
エリーゼは止まる気などさらさらなかったが、場所を知らないのは当然のことで
フェイの言葉に止まらざるを得なかった。
「……。」
「こちらから行く方が早く着きますよ。姫君。」
そう言ってフェイは、少し戻った道にある右側の通路を指差した。
「…姫君。先程の無礼、まだ怒っていらっしゃいますか?」
「……別に、あなたに怒っているわけではないわ。」
エリーゼは不機嫌そうに少し低い声で答えた。
フェイは不思議そうにエリーゼに想いを伺う。