「だっだから忘れろと言っているだろう!?」


「いいえ猊下。忘れる事はできません。フェイはこの身を粉にしてでも、姫君のお心を猊下の元へと変えてみせます。」


真剣にフェイにそう言われ、勝手にしろ、とアクトは気まずそうに部屋を後にした。



──勝手にさせて頂きますと、


嬉しそうにそう言い 楽しそうな足取りで、腹心の部下が反対方向へとスキップして行った。



そんな事実など、

絶対に認めないとアクトは強く思い

見てみぬフリを決め、執務のため執務會舘へと向かった。