..あたしは精一杯走ったつもりだったんだけど..。

忘れてた。
あたしって体育ニガテなんだ......


「つ~かま~えたっ♪」


あっけなく再び捕まった。



「はぁはぁっ...や、やめて...」


もう一回、振りほどこうとしたその時。



ドゴっ



「いッ....」


一人に腹を蹴られた。



「お前、なんでそんなに逃げんの?暴れんなよ」


顔は笑ってるのに、目は全然笑ってない。


怖い.....




「俺機嫌崩しちゃったぁ~。どうしてくれんの」



先輩達が迫ってくる。


「いいこと思いついた♪皆にキスしたら逃げていいよお」


ニヤニヤしてあたしの顎に手をかける先輩は、
「ね」とみんなに返事を求める。