それからも しばらく 救急車がくるまで、 パパはママを強く抱きしめ離さなかった。 兄貴は、 気を失い、 床に倒れ込み 呼んでも返事をしない状態に、 利一は、必死で意識をつなぎ止め あたしの手を握り続けた。 あたしは、急に怖くなって 利一の手を "より強く" 握りしめた。