「霧子先生、彼女の件はどうでしたか…?」

入学したては元気な生徒だった優里が、二年、三年になるに連れ登校が減り、弱る様子を見た霧子は、

自分なりに優里が何か福祉的にも援助を得られないかと必死に駆け回っていたのだった。


しかしケースが虐待で無い為、保護するのは難しい。


環境から隔離も出来ず支援も出来ない。

両親の承諾を得、一人暮らしする事も出来るのかもしれないが、

未成年故に心配なのか…承諾を得られない上に金銭的にも余裕が無い。


学校の教師としては…八方塞がりの中で見守る事しか出来なかった。



せめて、彼女が耐え、乗り切れる事を祈りながら。