「あ…ついぼーっとしちゃって…すみません…」

たどたどした所に可愛げを感じた小夜は小気味良く笑った。

「あっはっは、可愛いね。隣失礼するよ」
豪快な笑い声とは対照的にはんなりと小夜は椅子に腰掛けた。


「まず…顔みせてごらん。ん、まだ少し熱持ってるね。肌は敏感?」

「いえ…そんなには…」

「んじゃ氷を当てておこう。あんまり冷やしすぎると良くないし…ね」


小夜は痣になっている部分に氷のうをあてがう。

優里は初めて口の中が切れている事を自覚した。

中も外も…じんわり痛い。


「20分くらいかな。夕方に様子見て、今度は温い湿布するんだよ」