「…あ。倉科くん、今日は保健室に居なさい。その顔だと何かと目立つから」 優里はくしゃくしゃになりそうな表情をやっとの事で笑顔に変えて言った。 「はい、ありがとうございました」 優里は顔にタオル地のハンカチを当てると、教室を通らないルートで保健室へと向かった。 誰かに会わないかとヒヤヒヤしたが… HRも近いので出歩いている生徒は居なかった。 結局誰にも会わぬまま、保健室に着いた。