自転車に乗って隣駅の坂木まで行く。

これは新しく定着しそうな日課だ。せめて優里が落ち着くまでは…だが。


いつもの高台の近くを通り過ぎ、踏切を渡る。


駅の近くの公園を通った時…少女がベンチに座り込んでいるのを千理の目が捉えた。

優里だ。

(こんな早くに?ま、挨拶くらいは時間あるな~)


自転車を止め、呑気に優里の方へ歩いていき、声をかけた。