…カンカンカン


近くで踏切の音が聞こえ、反射的に歩く速度を上げる。


(もうすぐ…後ちょっと…)


優里はそんな思考に支配され、後ろから近づく慌ただしい足音に気が付いていなかった。


(あそこに行けば…)


ふらつく足は真っ直ぐ、暗い安堵へと向かって行った。



踏切が閉まる直前に


「まって!」


「…え?」