「話辛かったら無理に話さなくて良いから…」

そう言って千理は優里の体を離し、改めて優里の顔を見た。


そして慰めようとした…が、優里の顔は真っ赤になっていた。


男に免疫の無い女子が抱擁されて赤面するなど自明の理と言うのに。

「顔…」

「ひくっ…ふぁい?」

「いや…何でもない」

「えっ…あ、ごめんなさいっ」


優里はバッと赤い顔を伏せ、少し千理と距離を取った。


(ただ頭を撫でてあげたかったんだけどなぁ。

あれじゃぁなぁ…はは)