まだ俯く優里を見て少し胸が痛んだ。

何か言葉をかけられないか…そう思った千理はぽつりと話し始めた。

「…んー、俺さ、元々ここの育ちじゃないんだ。こっち来て馴染むまで苦労したよ。んで落ち込む度によくここ来てた。ここの空見てるとさ、ちょっと楽になるんだよね~♪」

少しおちゃらけたようにそう話す千理を、優里は黙って見つめた。

きっと相当辛かったに違いない…

優里は自分の中での辛い出来事を思い出して変換する事で、何とか感情移入しようとしていた。


何か気の利いた言葉をかけるために。


……が色々な気持ちが混ざり合い過ぎて何も出て来ない。