「遅れてしまい、申し訳ありませんでした。」

千里は上司のデスクの前でお決まりの謝罪文句を並べた。

「おはよう、向井くん。今日は珍しく遅刻だね。寝坊か?」

そう聞いてきたのは、真っ先に遅刻の報告とお詫びをしていた上司の要。

「いいえ、今朝は車の調子が悪くて電車通勤でした。」

「そうか。次は気をつけてな」

滅多に遅刻をしない千理だからこそ、お咎めも軽く済む。

それに比べ同僚の…

「コラ、君はまた遅刻か」

「あ、てへ、すみません」

…大倉 優秀は遅刻の常習犯。 理由は分からないが、何故か遅刻が多い。