「やば、間に合わない!自転車きつっ!ってか…電車もきついな…」

ようやくホームに着いた千理の目に飛び込んだのは

車掌の手によって握られた寿司………


ではなく、無理やり押し込まれている満員電車だった。


「うぁ。。」


電車に飛び乗り、久しぶりに味わう寿司詰めの刑に千理は既に心が折れかけていた。

(つっ…つぶれる…あっ!チカっ!)

容赦なく忍び寄る痴漢の手をかわしながら満員電車に茫然とする千理。

つい口が半開きになりだらけそうになる。


「木箕和~、木箕和~、お降りの際は忘れ物に注意して………」