…とそこにコートをフードごと被った子供が居るのを目にした。


千理はこんな時間に外に子供がいるのは良くないと思い、声をかけた。


「君、こんな所で何してるの?お母さんが心配するぞ」


千理がそう言うや否や、その子供はビクッと一瞬震えた。


千理は、子供が一向にこちらを向く気配が無いので、前まで来て顔を覗く事にした。

「ほら、行こう」


顔を覗き込みながら言うと、フードを深く被った子供をようやく顔を上げた。