最寄り駅に着くと、ぶつからない程度に階段を駆け下りて駐輪場まで行った。


自転車に飛び乗ると、この間の優里を送った道を頼りに家へ向かう。


動物園に2人で行ってからは、優里には会っていない。


千理に出来るのは時折、朝や夜に家の前を通り、大きな変化があるかを外から見るくらいだった。

まだ付き合っていない以上、そこまでは踏み込めない。


だが、今日は中の変な胸騒ぎを千理は追い払えない。


千理は自転車で息を切らして向かった。