朝…優里が目を覚ますと時計は6時を指していた。


(全然…寝た気がしない…)


無理もない。昨夜優里が床に就いたのは2時を過ぎてから。


家に着いて、あれから竜也の具合は良くなかった。母が暫く家に帰らなくなり、電話も繋がらなくなったのだ。


必然的に竜也の矛先は優里に向かった。


今まで母が聞いていた話を今度は自分が聞いてあげる…


それが大きな重圧となり、優里の肩にのしかかった。


断れない。断れば…その先を考えるだけで優里は体のあちこちが悲鳴をあげるような感覚にさえ捕らわれた。


千理に…相談するという思考も気力も浮かんで来ない程に打ちのめされた感覚の中に居た。