千理は優里の手を引っ張りながら、そのまま駅近くの駐車場へ向かった。

その間に聞こえる優里の堪えるような笑い声は聞こえないフリをして。


助手席に案内し、運転席に座りエンジンをかけると、優里の声に被せるように千理は言った。


「出発するよ―!」


「くっ…ふふ、はい、宜しくお願いします(笑」


そんな優里の笑顔を見て苦笑しながら、千理はハンドルを切るのだった。