「あは…良かった…」

「え…?」


酷く説教されるのを予想していた優里は不意打ちを食らったように、男の顔に戸惑いの表情を向ける。


「君がまた何かしでかすんじゃないか…と思ってね。今日は早めに自転車で出て来たよ(笑」


その言葉を聞き、優里は深くお辞儀をし、自責の念と恐怖のせいか反射的に謝った。

「あ…迷惑かけてすみませんでした!」


男は優里の小刻みに震える肩に気付いたが、敢えて口にはしなかった。


「今日はこれから学校?」

「はい…」