「良い匂いがする…」


竜也が支度を終えて台所に来たようだ。


「何も食べてないでしょ。簡単に作ったけど…良かったら食べてね」


優里は竜也が来ると無意識に体が硬直する感覚がするのだが、でも努めて笑顔で言った。


「ありがとう」


「じゃぁ、私も支度してくるね」


竜也が食べ始めるのを確認すると、優里も支度を始めるのだった。