少し穏やかな雰囲気を宿した優里の表情に、千理はひと安心した。

一息つく優里は千理のシャツの滲みに気付く。

「あっ、シャツ…濡らしちゃってごめんなさい…」


「今更?(笑)いいよ、そんなの洗えば。
あ、そうそう、明後日出られる?良かったら動物園に行こうよ」


動物園と聞いて瞬時に目を輝かせる優里。さっきのしおらしさはどこへやら。


「動物園…楽しそうです…。家の都合で行けるか分かりませんが…行けるなら行きたいです」

動物好きな気持ちが強く伝わってきたのが面白くて、千理は笑いをこらえるのに気力を要した。


(…まぁ、確かに動物可愛いけど笑)

「ん、じゃあ行けるようなら9時頃に優里ちゃんの最寄りの駅で待ち合わせしようか」

「…はい!…あ、行けなかったら…ごめんなさい」

「くすくす…大丈夫、その時は一人で行く」

「えー!」


「あっははははは」