辛いのは自分だけで無く…兄も母も皆辛いと言うこと。

この事は容赦なく優里の気持ちを切なくさせた。


自分に力や賢さがあれば何かしてあげたいが…何も持ち合わせていない。


必死に何か相手がホッとするような言葉をかけてあげたいが…何も浮かばない。


優里も苦しくて余裕が無いのだ。


せめて出来る事は…


弱々しくすすり泣く兄の背中を静かにさすってあげる事だけだった。