「お兄ちゃん?一階でガラスが割れていたけど…怪我…してない?」


優里は部屋のドア越しに聞いた。

すると朝とは違った弱々しい声が聞こえてきた。


「…大丈夫だよ。…お帰り。ごめんな」


時々鼻をすする声が聞こえる。

優里はそんな兄の声を聞いて胸の締め付けられる思いがした。


「お兄ちゃん、良かったら…入って良いかな?」


「…良いよ」


それを聞くと…優里は静かに部屋のドアを開けた。