「会長、付き合ってよ?」



ニコリ、屈託のない、憎めない笑顔を浮かべる高野くん。



男女構わず人気の彼を、私は少し苦手だ。




「お断りします」


「会長固いよね」



そう言ってスカートの中に手を滑り込ませる高野くん。



「辞めていただけます?」



やっぱり彼は、厄介だ。



そう思ってそろそろ蹴りを入れようとした時、やっと高野くんが退いた。



「会長、もう少し怖がってくんなきゃつまんねーよ」


「貴方なんか怖くないわ」



言いながら私は、軽くシワになったスカートを伸ばした。



「やっぱ会長には敵わねーな」



それがどういう意味なのか、わからないけど、言い終えると高野くんは、部屋を後にした。