ボーっとあたしの顔を見ている蓮くんに微笑みながらそう言うと、あたしはテーブルの上にあるマイクを手に取った。
落ち込んだ時はカラオケっしょ!
「だからさ!そんな落ち込まないでさぁ。歌っちゃいなよ、ね!」
ニコッと微笑みながらあたしは蓮くんの胸にマイクを差し出した。
すると蓮くんはゆっくりマイクを握る。
と、思いきやあたしの手を握った。
……ん??
握られた手を振り解こうと自分の方に引いてみるけど、一向に蓮くんは手を放そうとしない。
……。
「……っ何!?放して」
蓮くんを睨んでそう言うと、蓮くんは手を握ったまま俯いた。
「前から思ってたけど、めぐりってさ。人の事ボロクソ言うし。結構キツイけどさ。実は優しいよね」
はい……??