「……やめた」




小さくなっている蓮くんを見つめながら考えていると、蓮くんはものすごく小さな声で呟いた。




「え?」




聞き返すと大きな溜め息をついて蓮くんは口を開いた。




「今回でもう懲りた。俺はもう恋をしない」




ズドーンと落ちて、周りにマンガみたいな棒線が見える。




ありゃりゃ……ちょっと苛めすぎた?




「まぁまぁ蓮くんー……」




何とか慰めようと声をかけるけど、膝に顔を埋めて俯いている蓮くんは返事をしない。




参ったなぁ。




あたしはポリポリと頭をかいて、蓮くんを見下ろした。




「蓮くーん」




あたしは蓮くんの赤くなった痛そうな頬に触れた。




「うわぁ!!」