あたしは笑いながら蓮くんに言った。




「もう恋しないんじゃなかったけ?」




そう聞いてみたら、蓮くんは笑う。




「何の事ー?」




そう言って、蓮くんは目を閉じた。




「次こそホントの恋だといいな」



その顔は今まで見た事がない優しい顔だった。




そうやって……いつの間にか知らない人のものになって。




そうして……あたしにしたみたいに優しくするんだ。




あたしじゃない誰かに。




そして……あたしの知らない蓮くんになっちゃうんだ。